大雨で河川が氾濫する前に知っておきたいこと|命を守るための備えと避難

防災・災害

河川氾濫から命を守るために重要なのは、川の水位が危険な状態になってから行動するのではなく、大雨が予想された段階で避難場所や避難経路を確認しておくことです。

最近、大雨による河川の氾濫や道路の水没によるニュースが多いですよね。

普段は穏やかに流れている川でも、上流で大雨が降ると短時間で水位が上がることがあります。

自分の住んでいる場所ではそれほど雨が降っていなくても、上流で大量の雨が降っていれば安心とは限りません。

河川氾濫は、一度発生すると住宅への浸水だけでなく、道路の冠水、停電、断水、車の水没など、生活に大きな影響を与える可能性があります。

私が記憶する河川の増水による被害は、八王子市に住んでいた7年前に立川市と日野市に掛かる日野橋が被害を受けた事が記憶にあります。このとき多摩川が大幅に増水し、立川市側から5番目の橋脚付近が川底の洗掘で沈下しました。その結果、橋の一部が大きく陥没し、日野橋は通行止めになりました。

今回は、河川氾濫がなぜ起こるのか、そして私たちはどのように備えればよいのかを考えてみたいと思います。

河川氾濫とは

河川氾濫とは、大雨などによって川の水量が増え、水が川の外へあふれ出すことです。

河川の水が堤防を越えたり、堤防が決壊したりして住宅地などへ流れ込むことを「外水氾濫」といいます。

一方で、川が直接あふれていなくても、大量の雨によって下水道などの排水能力を超え、道路や住宅地に水がたまる「内水氾濫」もあります。

「近くの川はまだ大丈夫だから安心」と考えるのではなく、道路の冠水や低い土地への浸水にも注意が必要です。

なぜ河川は急に増水するのか

河川の水位は、自分のいる場所に降っている雨だけで決まるわけではありません。

上流に降った雨が川へ集まり、時間をかけて下流へ流れてきます。

そのため、自宅周辺では雨が弱くなっていても、その後に川の水位が上昇することがあります。

特に台風や長時間続く大雨では、土の中に水分が多く含まれ、さらに降った雨が川へ流れ込みやすくなります。

「雨が止んだから大丈夫」と油断しないことが大切です。

河川氾濫で怖いのは水の深さだけではない

洪水というと、水が何メートルまで上がるのかに目が行きがちです。

しかし、本当に怖いのは水の流れです。

氾濫した水には泥や木、さまざまな物が混じっている可能性があります。

道路が冠水すると、普段見えている側溝や段差なども分からなくなります。

車で避難しようとしても、道路の状況によっては動けなくなる危険があります。

そのため、水があふれ始めてから避難を考えるのではなく、「まだ大丈夫」と思える段階から情報を確認しておくことが重要です。

まず確認したいのがハザードマップ

日頃から一度は確認しておきたいのが、自分の住んでいる地域のハザードマップです。

国土交通省のハザードマップポータルサイトや各自治体のハザードマップでは、洪水によって浸水が想定されている地域などを確認できます。

自宅だけでなく、

・勤務先
・両親の家
・学校
・よく利用する道路
・避難場所までの経路

なども確認しておくと安心です。

特に大切なのは「避難場所を知るだけ」で終わらせないことです。

実際に避難するときに通る道路が低くなっていないか、川を渡る必要がないかなど、避難経路まで確認しておきたいところです。

「洪水キキクル」を確認する

大雨のときに役立つ情報の一つが、気象庁の「洪水キキクル」です。

洪水キキクルでは、大雨によって洪水災害の危険度がどの程度高まっているのかを地図上で確認できます。

中小河川については、3時間先までの予測も利用して危険度が表示されています。

大雨になってから慌てて探すのではなく、普段から一度スマートフォンで確認しておくとよいと思います。

警戒レベル4までに避難する

災害時には「もう少し様子を見てから」と思ってしまいがちです。

しかし、危険が目の前まで迫ってからの避難はかえって危険です。

内閣府では、警戒レベル3の「高齢者等避難」、警戒レベル4の「避難指示」などを示しており、警戒レベル4までに危険な場所から避難することが重要とされています。

特に高齢者、小さな子どもがいる家庭、移動に時間がかかる人がいる家庭では、早めの判断が必要です。

絶対に川の様子を見に行かない

大雨になると、

「川はどのくらい増えているのだろう」

と気になります。

しかし、増水した川の近くへ確認に行くのは非常に危険です。

状況を確認するために外へ出るのではなく、気象庁、自治体、河川管理者などが発信している情報を利用することが大切です。

スマートフォンがあれば、雨雲の状況や洪水の危険度など多くの情報を確認できます。

自分の目で確かめようと川へ近づかないことです。

普段から準備しておきたいもの

河川氾濫は、台風が近づいてから準備を始めるより、何も起きていない日に少しずつ備えておく方が安心です。

例えば、

・飲料水
・非常食
・懐中電灯
・モバイルバッテリー
・常用している薬
・タオル
・着替え
・雨具
・現金
・身分証明書などの重要品

をすぐ持ち出せるようにしておくと役立ちます。

停電するとスマートフォンの充電も難しくなるため、モバイルバッテリーは定期的に充電状態を確認しておきたいところです。

また、車を所有している場合は、浸水が想定される地域に駐車していないかについても確認しておくとよいでしょう。

大切なのは「早めに動くこと」

自然災害を完全に防ぐことはできません。

しかし、事前に知っていることで減らせる危険はあります。

「まだ大丈夫だろう」

「今まで氾濫したことがないから大丈夫」

そう考えているうちに状況が急に変わる可能性があります。

河川氾濫への備えで重要なのは、特別なことではありません。

自分の住んでいる場所の危険性を知る。

避難場所を確認する。

天気予報や防災情報を見る。

そして危険が高まる前に行動する。

この積み重ねが、自分や家族の命を守ることにつながるのだと思います。

台風や大雨の季節だけではなく、一度家族でハザードマップを見ながら「もし川が氾濫したら、どこへ避難するのか」を話しておくことも大切ではないでしょうか。

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